池本克之です。
それではお待たせしました。
『ブラック企業』としての指導を受ける
直前だった関通の達城社長が、
いかにして1人月80時間という
長時間労働から解放され、
『総務2人で850(昨日と同じ数字)
人の会社を管理している』という
極めて労働生産性の高い社内体制を作っていったのか・・
キーワード①
「働き方改革とは、
やらなくてもいい仕事をなくすこと
=『会社の仕組みを変えること』
であり、それは社長の仕事である」
労働基準監督署からの指導が入る目前だった達城社長が、
取り掛かったことが、
『業務のあらゆる無駄を徹底的に取り除くこと』
まずはじめに取り掛かったことが、
『会議の回数を月10回から、月1回に減らすこと』
多くの企業で無駄な会議の存在が指摘されています。
パーソル綜合研究所によると、
1万人規模の大企業では、
1年間に約15億円の人件費を無駄な会議に
費やしているとのことです。
関通でも多分にもれず、
あまり効果的でない会議が複数ありました。
会議の内容を見直した結果、会議の回数を
1/10までに減らすことができました。
次に取り組んだのが、
顧客とのコミュニケーションの無駄を取り除くこと。
それまで関通では、取引先との様々な
やりとりを電話で行っていました。
それを取引先の理解も取り付けた上で、
緊急時以外の連絡をメールで行うことに。
倉庫での梱包、発送業務の最中に、
いちいち電話をかけるために作業の途中で
中断をするということがなくなり、
作業の合間にメールでの連絡をすることで、
作業効率が大幅にアップしました。
達城社長は、
会議の時間を減らし、
顧客との連絡方法を簡素にすることの2つで、
大幅に残業時間を減らすことに成功しました。
見直された、会議も、顧客との連絡も、
会社の中で当たり前の業務として行われていたものです。
それを変えることができるのは、社長です。
たとえ現場で不満を持っている社員がいたとしても、
ここまでの改革を普通の社員、
ましてやパートさんが主導することは、
難しいでしょう。
社長自らが、主導して改革を行うことで、
スピード感を持った改革ができたのです。
「社長の仕事は、会社の仕組みを作ること」
達城社長はそういっています。
キーワード②
『1かがみでももったいない』
会議のムダと、取引先との連絡手段の変更で残業時間を
大幅に減らした達城社長が次に取り掛かったのが、
『無駄なこと、やらなくてもいいことはやらなくていい』
と、徹底的にスタッフに教え込むことでした。
現場の無駄は、現場で作業するスタッフが一番多く知っています。
これまで、現場の作業に不満を持っていたり、
改善案を持っていたスタッフたちも、
改善の提案をすることがいいことだと理解できて初めて、
積極的に改善の提案を出すことができます。
関通でも、全社的な活動として、
『ムダ取り活動』を推進、
日々、スタッフからの改善提案を募集し、
効果のある改善策は全社に展開。
また、改善策に対する報酬制度も整え、
会社全体で生産性の改善に取り組みました。
その象徴となるのが、
『1歩、1かがみの無駄を取り除く』
ということです。
実際に、倉庫の掲示板には、
たくさんの改善するための作業ポイント
が書かれています。
スタッフの改善提案から生まれた
業務改善の一つを紹介しますね。
たくさんのネットショップの梱包、
配送業務を請け負っている関通では、
商品の袋づめを1人当たり平均200回行っているそうです。
その作業を16秒から、9秒に削減することが、
「かがんで包装用の袋を取り除く手間を削減すること」でした。
包装用の袋の置き場を、机の下から、机の横に変えることで、
『7秒』を節約することができたのです。
『7秒』と聞くと、それくらいと思えますが、
1回あたり7秒ですので、1日1人当たり7×200
= 1400秒(23,3分)
の削減になるのです。
これで、一人当たり月約8時間の残業代節約になります。
『1かがみ』の削減、おそるべしですね。
いかがでしたでしょうか?
あなたは、達城社長のストーリーから、
何を学びますか?
2つの大きなポイントがあります。
①働く仕組み(会社の仕組み)を変えるのは、
社長の仕事である。
②現場のスタッフから改善の提案が
どんどん出るための仕組みを
作ることです。
『社員が自ら自律的に行動する組織を作る』
これは私がいつもお伝えしている組織学習経営の
理想の形でもありますが、
同時に、組織学習経営を取り入れると決めることは、
社長にしかできない仕事でもあります。
ここから、関通の生産性がどんどん高まっていくのですが、
話が長くなってしまうので、
850人を2人で管理する直接の秘密については
また今度のメルマガでお話しします。
PS.
関通が『ブラック企業』だった時の話をまだみていない方は、
昨晩のメルマガをご覧ください。
PPS.
実はこのストーリーは、NHKの番組、
『ルソンの扉』でも取り上げられています。
気になる方は、下記のURLよりご覧ください。
↓↓↓
https://myasp.pajaposs.com/l/m/tBfaudX7te8nkH
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