ナンバー2育成で失敗した悲しい事例
池本克之です。
今日は、ナンバー2育成で
失敗した事例をご紹介していく。
この失敗事例を教訓に、
あなたの会社では
同じ過ちを繰り返さないで
いただきたい。
これは、ある食品関係の会社の話だ。
この会社は、
海外から食品を輸入して
国内で販売するというような形で
やっていらっしゃる会社だ。
社員数はそう多くはなく、
10名ぐらいで経営をされてきた。
社歴は長く、20年ほどあるわけだが、
20年もやっているので、
社長さんは60代に入ってこられた。
すると、やはり考える。
ナンバー2をどうしたらいいのかと。
この方には
お子さんがいらっしゃらないので、
自分の身内で
世襲で引き継ぐというような選択肢は
最初からないわけだ。
しかし、
会社はそれなりの規模になってきて、
お客様もついている。
商売としては決して悪くない。
利益もそれなりの利益率が出るという
状況なので、
「この会社、この先どうしよう…」と。
自分がもし引退するとなっても、
誰かにやってほしいということで、
社内を見回したわけだ。
といっても、
10人ほどしかいないので、
その中で
「この人に次を任せられるかな」
というような方は、
1人しかいなかった。
そして、この1人の方を
次の社長候補ということも含めた
ナンバー2として、
社長自身は
そのような認識で扱っていたわけだ。
事あるごとに
自分のお得意様のところへ一緒に行き、
顔繋ぎのようにして紹介をしたりとか、
そういったことを頻繁にやるようになった。
社長と過ごす時間が長くなったわけだ。
これは、一見、
良かったような話である。
やはりナンバー2を教育していく上では、
時間や空間を共にするというのは
とても大切なことだ。
この社長も、それをされたわけだ。
では、一体どうして失敗したのか?
それは、このナンバー2候補の方、
もしかしたら、今後、
社長になっていたかもしれない方。
この方は、そもそも自分が
ナンバー2として扱われているとすら
思っていなかったのだ。
むしろ、
社長から「ついてこい」と。
「一緒にお客さんのところに行くぞ」
というようなことは、
ダメ出しをされているのだと
捉えていた。
自分が上手くできていないので、
「やり方を見せるから
一緒についてきなさい」
こういうふうに言われているんだなと
思って、
「そうか、自分はダメなんだ…」と。
「こんなに会社のために、
社長のためを思って色々やってきて
結果も出してきたつもりだったんだけど、
ここにきて
社長からは一から叩きなおすと
いうことで、
お得意様のところに
一緒に行くというようなことを
されてるんだな…」
というふうに
受け取ってしまったのだ。
失敗の原因は何か?
それは、
ちゃんと伝えていなかったことだ。
「うちの会社、
将来のことが不安なんだ」と。
「そこで、あなたに
ナンバー2になってもらって、
この先、この会社を
どうしていくかということについても
一緒になって考えてほしい」と。
「そのために、自分の仕事も
徐々にあなたに引き継いでいくし、
お得意様の担当も
もしかしたらあなたに代わって
いただいて、
これからの会社の中心はこの人ですよ、
というような形をつくっていきたい」
「そのために
一緒にやってもらえますか?」と。
このようなやり取りが
なかったことが原因だ。
それにより、意思の食い違いが
出てしまったわけだ。
社長は期待をしていたのに、
言われた方は
ダメ出しをされていると思っていた。
最終的に、この方はどうなったかと
いうと、
社長から期待されていることを知る前に、
転職先を決めてしまった。
本当に残念なことだ。
このナンバー2育成の失敗例は
ほんの一部ではあるが、
ナンバー2が欲しいと思って
育成していてもうまくいかない、
という社長は多い。
それはどうしてなのかというと、
ナンバー2育成の正しいやり方を
知らないからだ。
そして、重要なことは
社員育成とナンバー2育成の
仕方はまるで違う、
ということである。
ナンバー2には
ナンバー2の育成法がある。
また、いくら社内に
優秀な人がいたとしても、
今は人材難なので、
どこの会社も優秀な人が欲しいわけだ。
となると、
優秀な人は取り合いになる。
取り合いどころか、
優秀な人は自分で会社を始めてしまう
場合もある。
こうなってからでは遅い。
なので、できるだけ早いうちに
ナンバー2を育成しておかなければ、
優秀なナンバー2になれる人たちは
自分で会社を始めるようになってしまう。
あるいは、
優秀な会社を始めた若い人について、
そっちの会社に移籍してしまう
可能性もある。
つまり、転職してしまう。
私たち社長は、
それを防がなければいけない。
そのためには、
正しいナンバー2を育成する方法を知り、
社長の最優先課題として
取り扱う必要がある。
時間がないと言って
後回しにすることはいくらでも
できるが、
ナンバー2が必要になってから
動いていては遅いのだ。
ぜひ、今日お話した失敗例を教訓に、
ナンバー2育成を最優先課題として
取り組んでいってほしい。
PS
ナンバー2を育成するには
正しい育成法を知る必要がある。
それには、これがお役に立てる。
↓
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